本当の自分?
自分らしさに似た言葉としては,”本当の自分”というものがあります。
この,”本当の自分”という存在の有無は人にによって異なるようです。
“本当の自分”というものを見つけた人は“いる”と答え,見つけていない人は“いない”もしくは“探している途中”と答えます。そのくらい曖昧な存在です。
そうなると結局いるの?いないの?ということになります。
ここでは,その答えを一つをご紹介します。
人間を意味する言葉の一つに英語のperson(パーソン)というものがあります。
これは,ラテン語のpersona(ペルソナ)が語源と言われており,もともとは“仮面”を意味していました。
人は,社会生活の中でその状況に合わせた様々な顔(仮面)を持っています。
職場,家庭,友人との交流,一人の時間などそれぞれの状況で態度や役割りが変わっています。しかし,状況によって変わる顔のどれもが自分自身であるというものです。
つまり,自分自身とはペルソナ(仮面)の集まりなのであり,”本当の自分”という絶対的な一つの顔があるのではなく,
状況によって変わる顔のどれもが自分自身であり,いわゆる“本当の自分”なのかもしれません。
【参考文献】
泉谷閑示 (著):仕事なんか生きがいにするな.幻冬舎新書