「私」と「あなた」の間

対人援助,生死,苦しみ,答えの無い問いに対しどのように考えるかを発信していきます。

問いではない問い

私たちは時に問うてないのに問いかけることがあります。

「なんでこんなこともできないの?」

「なんでこんなに面白いの?」

などの表現です。

 

これらは問いではない問いです。

質問形式での感情表現と言えるかもしれません。

例えばこれを喜怒哀楽に当てはめてみましょう。

 

喜:どうしてプレゼントがあるの?

怒:なんでこんな失敗したの?

哀:どうしてお別れしないといけないの?

楽:なんでこんなに面白いの?

 

このように質問形式で聞いてはいますが,答えがほしいわけではないと思います。

仮に「なんでこんなに面白の?」という質問に対し,面白いと思われる理由を説明しても,「なるほど!そういう理由で面白いのですね!」とはならないかと思います。

本当に答えを求めている場合もあるかもしれませんが,ごくわずかでしょう。多くの場合で問いではない問いは,答えることができませんし,言った方も答えを求めているわけではありません。

 

答えなき問いを考える時は,真に問いなのか,問いではない問いなのかを判別する必要があります。

 

【参考文献】梶谷真司(著):考えるとはどういうことか.幻冬舎新書